長年の懸案であった、麻生山の景観皆伐が実現しました。
麻生山は、日の出町の大久野中学校の林務体験のための学校林として、昭和30年の初めまで在校生が授業の一環として植林や下草刈りをしており、育てた木材を校舎の建て替え時に使用したこともありました。
これまでの山頂はは密生した針葉樹に囲まれ、北側のほんの一部しか見られませんでしたが、皆伐の結果、北北西から南南東の180度以上の大パノラマへと変身し、絶景ポイントの日の出山から東に張り出した尾根に位置するため、日の出山より広い範囲の眺望が得られるようになりました。
12月25日に皆伐完了直後の麻生山に調査に行ってきましたが、伐採した後にはカエデや楢などの落葉樹の植林作業をしていました。
日の出町の観光パンフレットより転載。
麻生林道最高点の麻生平は、伐採に並行して整備され、日の出山や梅野木峠を望む、快適な休憩ポイントになった。
白岩の滝への分岐と麻生山への分岐の麻生平には、伐採と植林の作業者が駐車していた。
麻生平から山頂への斜面には、伐採後に植えられるカエデやミズナラの苗がデポされていた。
山頂近くの尾根へ出ると、伐採作業中の看板が貼ってあった。
山頂はひと月前に来た時とは全く異なり、見違えるような明るい風景が広がっていた。
東側斜面は全て伐採され、都心方面が全て眺望できるようになった。
山頂からの大パノラマ写真。写真の左右の角度は180度を超えていて、秩父から横浜港が視野に入る。
中央にスカイツリー。左に西武球場のドームと山口湖。右は新宿副都心のビル群。今日は曇り空で、晴れればもっとはっきり見えるはずだ。中央の横帯は横田基地の滑走路。さすがに広く、全ての機種の大型爆撃機が離着陸可能。
伐採後への植林作業。樹種はカエデやミズナラなどの昆虫が好む落葉樹。針葉樹以外の自然植生は残してある。
以前からある三つ葉つつじもたくさん残されており、日当たりが良くなったので花付きが良くなるはずで、春が楽しみだ。
南側の樹木は全てを切る皆伐ではなく、間引きする間伐が進んでいた。
森の中の日陰だった山頂を示すポールや看板も日向になり、すっかり山頂らしくなった。
植林してから数十年の間封印されていた眺望の、予想外のすばらしさに見とれて新調のベンチに座り、しばらくの間景色を堪能したのち、一週間後の初日の出を見に登ることに決めて下山しました。