日の出山の会

秩父多摩甲斐国立公園の東端、日の出山の自然を舞台に活動するクリエイター集団

〒190-0181 東京都西多摩群日の出町大久野

05日

麻生山山頂景観皆伐の調査登山

 麻生山の山頂は針葉樹林で覆われていて見晴らしがきかず、ハイカーは巻道を巻いて通過しています。山頂の東側斜面の樹木を伐採することで、横浜方面から都心全域や上州方面までの景観が確保できることから、山頂付近の皆伐(全て伐採)が決まり、9月28日に、山主さんの案内で関係者と現地の下見をした。

登頂のルートは、前回標高表示杭を設置した、タルクボ林道から麻生の尾根を辿るコースを、再確認しながら辿る行程とした。前回の「タルクボ林道から麻生山直登尾根コース調査行」のページと併せてご覧ください。

タルクボ林道の入り口ゲートは、新しくステンレス製のポールや鎖に替えられた。林道は一般車は通行禁止だが、今回は林務関係者同行により、4厘駆動車で入山した。

タルクボ林道の入り口ゲートは、新しくステンレス製のポールや鎖に替えられた。林道は一般車は通行禁止だが、今回は林務関係者同行により、4厘駆動車で入山した。

麻生尾根への取り付き点で大岩を見上げる山主さん、林務関係者、ボルダラー(ボルダリング、フリークライムの一種)。

麻生尾根への取り付き点で大岩を見上げる山主さん、林務関係者、ボルダラー(ボルダリング、フリークライムの一種)。

見上げる大岩の周辺は草が刈り取られ、8月初めの入山時より整備されていた。

見上げる大岩の周辺は草が刈り取られ、8月初めの入山時より整備されていた。

尾根への取り付き点の梯子へ向かう。この梯子はあくまでも植林作業のための作業用であり、安全策はしていない。その上の道も林務者の踏み跡程度で道標などは無い。整備されるまでは、この付近に詳しい熟達者以外は入山禁止だ。

尾根への取り付き点の梯子へ向かう。この梯子はあくまでも植林作業のための作業用であり、安全策はしていない。その上の道も林務者の踏み跡程度で道標などは無い。整備されるまでは、この付近に詳しい熟達者以外は入山禁止だ。

大岩の右をヘツリながら回り込むと、尾根に出る。林道からここまでの標高差は50mほど。

大岩の右をヘツリながら回り込むと、尾根に出る。林道からここまでの標高差は50mほど。

東電新秩父線19号鉄塔下。前回調査時より雲が多く、視界がきかなかった。

東電新秩父線19号鉄塔下。前回調査時より雲が多く、視界がきかなかった。

鉄塔近辺はブッシュが多くて、見通しがきかず迷いやすい。東電の黄色のポールで、20号鉄塔へのルートを行く。

鉄塔近辺はブッシュが多くて、見通しがきかず迷いやすい。東電の黄色のポールで、20号鉄塔へのルートを行く。

現在の麻生山山頂794mは、針葉樹に包まれ、北西のごく一部以外は、視界がきかない。

麻生山山頂794mは、針葉樹に包まれ、北西のごく一部以外は、視界がきかない。

伐採する樹木や境界には、すでに目印のテープが巻かれている。

伐採する樹木や境界には、すでに目印のテープが巻かれている。

現在の山頂は、針葉樹林に囲まれ、北西のごく一部を除いて見晴らしがきかない。(パノラマ写真180度)

これは約180度のパノラマ写真だが、この部分を伐採することで、上州方面から都心を経て横浜までの、大パノラマの景観が得られる。

本日の調査行参加者。

本日の調査行参加者。ボルダラー、山主さん、林務者、日の出山の会ブロガー。

下山は数年前に皆伐した東斜面から麻生林道に出て、テル窪の沢沿いにタルクボ林道へと戻る。写真の右半分が皆伐され、左半分が枝打ちと間伐が行われる予定。

下山は数年前に皆伐した東斜面から麻生林道に出て、タルクボの沢沿いにタルクボ林道へと戻る。写真の右半分が皆伐されて楢や楓が植林され、左半分が枝打ちと間伐が行われる予定。

タルクボ林道から麻生山直登尾根コース調査行

 日の出山登山コースの一つに白岩の滝経由のコースがあり、途中で一度タルクボ林道へ出てすぐに沢沿いの道に入り、麻生平から麻生山直下を巻いて日の出山へと辿っている。

 タルクボ林道から沢沿いの道に入らずに林道を進むと、林道終点手前の大岩の下に作業用の梯子がかかっている。その梯子を登り尾根伝いに、東電新秩父線19号鉄塔を通過して麻生山へ辿る道もあったが、遊歩道ができたため廃道となっている。今は山林作業用の踏み跡程度で道標がなく、熟達者以外の入山は危険だ。

 日の出山の会では廃道調査のため、8月5日に白岩の滝を経由せずに、タルクボ林道を辿って標高表示の杭を設置しながら調査してきた。

赤線がGPS軌跡図で、右側が白岩の滝バス停。白岩の滝への途中を右へタルクボ林道を辿り、麻生山の直登尾根にとりついた。

朱線がGPS軌跡図で、右側が白岩の滝バス停。白岩の滝への途中を右へタルクボ林道を辿り、中央下の麻生山尾根にとりついた。

白岩の滝バス停から滝への道の途中に有る林道タルクボ線は、白岩の滝を迂回して上部へ出るため、ハイカーには利用されていない。

白岩の滝バス停から滝への道の途中に有る林道タルクボ線は、白岩の滝を迂回して上部へ出るため、ハイカーには利用されていない。

林道はあくまでも林業のための作業道であり、一般道の安全対策はなされていない。一般車両の進入は禁止されているが、歩行は自己責任で通行可能だ。

林道はあくまでも林業のための作業道であり、一般道の安全対策はなされていない。一般車両の進入は禁止されているが、歩行は自己責任で通行可能だ。

この近辺の林道配置図。中段下の19番がタルクボ林道。

この近辺の林道配置図。中段下の19番がタルクボ林道。古い看板なので、現状より表記が少ない。

路面は比較的良好な非舗装道で、ところどころで視界が開ける。

路面は比較的良好な非舗装道で、ところどころで視界が開ける。

林道の途中から白岩山の崩落現場が見える(右と左の2か所)。白岩の滝登山口の左に閉鎖されたトンネルがあり、このトンネルから砕石を掘り出していたが、崩落事故で閉鎖された。

林道の途中から白岩山の崩落現場が見える(右と左の2か所)。白岩の滝登山口の左に閉鎖されたトンネルがあり、このトンネルから砕石を掘り出していたが、崩落事故で閉鎖された。

林道終点手前の右上に大岩がせり出しているのが見える。ここが麻生山の尾根の東端になる。

林道終点手前の右上に大岩がせり出しているのが見える。ここが麻生山の尾根の東端になる。

 

大岩の下に作業用の梯子がかかっていて、標高500mの標識がある。ここが麻生山への尾根のとりつきだが、道標は無く、踏み跡程度の道のため、熟達者以外は入山禁止だ。

大岩の下に作業用の梯子がかかっていて、標高500mの標識がある。ここが麻生山への尾根のとりつきだが、道標は無く、踏み跡程度の道のため、熟達者以外は入山禁止だ。

梯子の上は狭い棚状になっていて大岩が迫っている。大岩に沿って右に回り込み、踏み跡を辿り尾根に向かって登る。尾根に出るまで分かりにくい踏み跡で、要注意だ。

梯子の上は狭い棚状になっていて大岩が迫っている。大岩に沿って右に回り込み、踏み跡を辿り尾根に向かって登る。尾根に出るまで分かりにくい踏み跡で、要注意だ。

尾根に出る手前に標高550mの標識がある。梯子の下が標高500mだからかなりの急登だ。

尾根に出る手前に標高550mの標識がある。梯子の下が標高500mだからかなりの急登だ。

しばらくは足場の悪い岩場の尾根道が続く。踏み跡がたくさんあるので、尾根を外さぬよう、要注意。

しばらくは足場の悪い岩場の尾根道が続く。踏み跡がたくさんあるので、尾根を外さぬよう、要注意。

大岩を越えたところで尾根の反対側が見え、タルクボ林道の終点が見える。

大岩を越えたところで尾根の反対側が見え、タルクボ林道の終点が見える。

しばらくは岩尾根が続くが、この辺の踏み跡は比較的しっかりしている。

しばらくは岩尾根が続くが、この辺の踏み跡は比較的しっかりしている。

標高600m地点だ。この辺りは落葉樹も多く尾根は明るい。今度は葉が落ちた冬に来てみたい。

標高600m地点だ。この辺りは落葉樹も多く尾根は明るい。今度は葉が落ちた冬に来てみたい。杭の近くに有るのは、ガーミンのGPSと杭打ち用の木槌だ。

標高650m近辺は幅の広い尾根筋だ。踏み跡を外さぬよう慎重に進む。

標高650m近辺は幅の広い尾根筋だ。踏み跡を外さぬよう慎重に進む。

藪状の中の踏み跡をたどると藪の隙間から鉄塔が見える。鉄塔へ向かって踏み跡を選び進む。

藪状の中の踏み跡をたどると藪の隙間から新秩父線19号鉄塔が見える。鉄塔へ向かって踏み跡を選び進む。

コース脇の鉄塔の下へ寄り道すると五日市方面の司会が開ける。この日はやや霞がかかっていた。

コース脇の秩父線19号鉄塔の下へ寄り道すると、金毘羅尾根や五日市方面の視界が開ける。この日はやや霞がかかっていた。

19号鉄塔からは、麻生山手前の金毘羅尾根分岐まで、東電の送電線鉄塔の作業道を、20号鉄塔へ向けて進む。

19号鉄塔からは、麻生山手前の金毘羅尾根分岐まで、東電の送電線鉄塔の作業道を、20号鉄塔方向へ向けて進む。

標高700m地点に来るとね一般登山道の金毘羅尾根への分岐が近い。

標高700m地点に来ると、一般登山道の金毘羅尾根への分岐が近い。

標高700m標識を過ぎるとすぐに金毘羅尾根から麻生山への一般ルートに出る。左へ下ると金毘羅尾根経由五日市。直進して登ると一般道で麻生山山頂だ。

標高700m標識を過ぎるとすぐに金毘羅尾根から麻生山への一般ルートに出る。左へ下ると金毘羅尾根経由五日市。直進して登ると一般道で麻生山山頂だ。

金毘羅尾根への分岐からしばらく上ると、75mの標識に出る。この辺りは登山者も多く、踏み跡はしっかりしている。

金毘羅尾根への分岐からしばらく上ると、750mの標識に出る。この辺りは登山者も多く、踏み跡はしっかりしている。

麻生山の山頂は細長い釣尾根状になっており、昔は麓の大久野中学校の学校林(実習林)であった。

麻生山の山頂は細長い釣尾根状になっており、昔は麓の大久野中学校の学校林(実習林)であった。

山頂は794mで現在は眺望がきかないが、平成27年中には山頂の皆伐が決まっている。

山頂は794mで現在は眺望がきかないが、平成27年中には山頂の皆伐が決まっており、皆伐が済めば日の出山に負けない大パノラマが出現する。

目的のミッション終了。人気のない山頂で甘い秋留台トウモロコシを頬張り一休み。

目的のミッション終了。人気のない山頂で甘い秋留台トウモロコシを頬張り一休み。

麻生山からの下りは、日の出山山頂(右)や東雲山荘(左の樹間)が見える麻生平に下り、タルクボ沢添いにタルクボ林道へと戻りました。

麻生山からの下りは、日の出山山頂(右)や東雲山荘(左の樹間)が見える麻生平に下り、タルクボ沢添いにタルクボ林道へと戻り、廃道調査と標高杭設置を完了した。